烏賊の塩辛が見に行った映画や展覧会の感想など、日々感じたことを徒然に書いていきます。


by ika-no-shiokara
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鳥の(トリノ?)コンサート

サントリーホールに鳥の(トリノ?)コンサートを聴きに行った。

といっても、トリノ・オリンピックとは関係ない。都響のコンサートが鳥ずくしのプログラムだったのだ。(まさか本当にトリノ・オリンピックと掛けているわけではないと思うけれど、何故今鳥ずくしのプログラムだったのだろう?)
前半はまず、レスピーギ「組曲 鳥」。小編成のオーケストラのために書かれたこの組曲は、17世紀に書かれた作品を集めてそれに近代的な風味を効かせた作品。ハープやチェレスタを使って色彩豊かな仕上がりになっている。学生の頃彼の「古代舞曲とアリア」を演奏したことがあるが、同じ系列か。(古代舞曲とアリアは大好きだが、今日の曲も楽しめた。)
次にコダーイ「飛べよ孔雀による変奏曲」。ハンガリーの民謡に主題を取ったこの作品は、どことなく懐かしい感じがする。バルトークやヤナーチェクの音楽にある程度馴染んでいるからなのか、それとも日本の民謡にも通じる感覚があるのだろうか?

後半の最初は、ディーリアス「春初めてのカッコウを聞いて」。この小品は、不思議な色彩感のあるサウンドが面白い。ディーリアスはあまり馴染みがないけれど、よさそうなCDを探して聴いてみようかな。
最後を飾るのがストラビンスキー「火の鳥」。ロシアのこの天才がまだほとんど無名の時代に作曲した作品は、後の春の祭典にくらべればおとなしいがそこここに才気を感じさせる。今回のコンサートでは1945年版が使われており、それ以前の版よりもドライな響きになっているのが特徴とのこと。今日のコンサートを通じて比較的小編成で過度に情緒に流れずコンパクトな仕上げになっていた印象を受けたがそれとつながる感じだ。指揮者のヤン・パスカル・トリトゥリエ氏の志向なのだろうか?

アンコールのヨハンシュトラウス2世「クラップフェンの森」はカッコウ笛(?)を使ったユーモラスな曲。カッコウ笛が吹かれる毎に指揮者がユーモラスなしぐさをして観客の笑いを誘っていた。最後の最後まで鳥ずくしのプログラムに徹しているところがすごい。

音楽の中で鳥の鳴き声を表現するのは、そう珍しいことではないが、こうしてそのような曲ばかり集めて演奏するのを聴いたのは初めて。鳴き声を真似すること自体は意味がないが、主に管楽器を使ってその音色の魅力を引き出すひとつの趣向としておもしろいと思う。今日のコンサートで言えば、オーボエの独特な艶のある音色に惚れ惚れする場面が多々あった。
トリトゥリエ氏の母国フランスには、オリビエ・メシアンという鳥音楽(?)の大家がいるのだから、メシアンの曲も入れても楽しかったのではないだろうか。
(トリトゥリエ氏といえば父親のポール・トリトゥリエ氏は優れたチェリストで、学生の頃チェロを弾いていた私は東京文化会館で彼のコンサートを聴いて感動した。ヤン氏も確かそのコンサートで競演していたはず。ヤン氏も今や還暦直前の油の乗り切った年齢になった。)

週末の午後のひとときをサントリーホールで過ごすのは本当に贅沢な楽しみだ。やはり他のホールに比べても作りがゆったりしていい。(今日の編成だとややホールが大きい感じではあるが。)
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by ika-no-shiokara | 2006-02-11 22:17 | クラシック音楽