烏賊の塩辛が見に行った映画や展覧会の感想など、日々感じたことを徒然に書いていきます。


by ika-no-shiokara
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

<   2006年 01月 ( 2 )   > この月の画像一覧

THE有頂天ホテル

話題の映画「THE有頂天ホテル」を見てきた。

三谷幸喜の映画は「ラジオの時間」「みんなのいえ」ともDVDで見ていたので、今度はぜひ劇場で見たいと思って期待して見に行ったが、期待通りの作品だったと思う。
登場人物が入れ替わり立ち代わり出てきて、たくさんのエピソードが順に繰り広げられるのだけれど、それがうまくまとまって2時間余りの上映時間があっという間に終わってしまった感じだ。笑いのつぼもうまくちりばめてあり、観客が飽きそうにならない絶妙なタイミングで笑いをとるようになっているようだ。映画館で周りの反応を見ているとそう思う。
それにしても芸達者な役者をよくもここまで集めたものだ。役所広司、戸田恵子、伊藤四朗、西田敏行など豪華な顔ぶれ。松たか子、麻生久美子、篠原良子ときれいどころも揃っている。
DVDで見るのもよいが、やはりこれは劇場で回りの観客とともに楽しむべきだろう。まだ見ていない方には劇場にいく価値は十分ありますよと言っておこう。
[PR]
by ika-no-shiokara | 2006-01-29 23:46 | 映画
鎌倉芸術館で、須川展也のサキソフォンリサイタルを聴いた。

JR大船駅を降りて、芸術館通りをまっすぐに約10分歩いて鎌倉芸術館に着いた。
1993年に出来た施設だが私は利用するのは初めて。石造りの立派なゲートをくぐって中に入ると、開場前にもかかわらず地元の音楽好きの人々が既にたくさん来ていてなごやなに談笑している。とてもよい雰囲気だ。ガラス越しに見える中庭には、10メーター以上もあると思われる見事な竹の群落が生い茂っている。大船は鎌倉のはずれだが、鎌倉寺院の伝統を連想させる。
開場まで間があったので、館内のギャラリーで展示している、鎌倉市内の中学生の作品の展示を見た。中学生ってこんなにうまかったかなと思わせる見事な作品が多い。絵画以外にも、印鑑とか陶芸品とかバリエーションに富んでいて楽しかった。

須川展也は、日本のクラシック・サクソフォンの代表的奏者。私は「ファジーバード」のCDを持っていて時々聴いて楽しんでいる。知らなかったが、プログラムによると既に25枚のCDを出しているという。舞台に現れた須川氏は、パンフレットの写真から受けた印象とはちょっと違って(?)とても気さくな感じ。クラシックのコンサートとしては珍しく自らMCを勤めて、曲の紹介やら演奏やらで大変そうだった。
リサイタルの前半は、須川氏が現代の作曲家に委嘱して作曲してもらったりサキソフォン用にアレンジしてもらった作品が続いた。ピット・スワルツの「ウズメの踊り」は、古事記に出てくるアマノウズメノミコトが天の岩屋戸に閉じこもった天照大神を外に出すために踊りを踊った逸話を題材にしたもので、激しい踊りを表現してサキソフォンの音階が上に下に大飛躍。須川氏の卓越したテクニックに支えられた見事な表現に感嘆した。
休憩をはさんで再び舞台に登場した須川氏の手には、4台のサキソフォンが。というのも、メインの「展覧会の絵」をソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4台のサキソフォンを使って演奏するのだ。ラヴェルのオーケストラバージョンをベースにした、合計で40分余りの大作を4台のサキソフォンと1台のピアノで演奏してしまおうという無謀とも思われる試み。それを須川氏は過去に何度も演奏し遂げているようで、「最近では少し余裕も出ていた」などと言う。とんでもない演奏家だ。本人も言っていたが、この演奏のポイントは4台のサキソフォンをいかにミスなしに持ち替えるかで、多くの場合はピアノが演奏している間に持ち替えを行うので、時間的に余裕があるようだが、バリトンサックスなど大きくて重いし、管楽器にいきなり息を吹き込んでもすぐになじんだ音を出すのは至難の業。単なる曲芸ではなく鑑賞に堪える演奏に仕上げているのには、驚くばかりだった。

サキソフォンの音色に魅せられる人は多い。ジャズではジョン・コルトレーンのようなスタープレーヤーを輩出し、メインの楽器の1つとなっている。楽器が発明されたのが19世紀ということもありクラシック界では影が薄いが、今日のリサイタルを聴いてすばらしい楽器の可能性を様々な方向で試して欲しいと改めて思った。
[PR]
by ika-no-shiokara | 2006-01-28 22:02 | クラシック音楽